・職種変更試験(外務から内務への職種変更の試験が郵政省、郵政事業庁時代にありました。)
外務職員として採用後2年を経過すると、内務職への職種変更試験が受けられました。なおこの2年というのは職変試験を受ける年の翌年4月1日を以って2年ということでよかったので、平成15年4月1日に採用された方は、翌年平成16年度の職変試験を受けることができました。この試験には年齢制限があり、例えば東海支社で25歳以上40歳未満などとなっていました。採用人数は30名くらいで、毎年11月第一日曜日に行われる1次試験で教養試験(国Ⅲレベル)、作文試験が行われ(適性試験はありません)、1月下旬から2月上旬に2次試験の面接試験がありました。競争倍率は相当高く、平成12年度の当時の東海郵政局で行われた職変試験は、受験者1,067名、合格者20名でした。ただ競争率は郵政局によってかなり開きがあったようです。この試験ですが、毎年必ず行われていたわけではありません。また「外務で入った世襲局長の子息を内務にしてやるための試験」などと皮肉交じりに語られたこともありました。公社化後(平成15年度の試験以降)の合格者については、内務、外務とも同じレベルの試験に統一されたことから、無試験で外務から内務に変われるようになりました。
なお内務外務の垣根を取り払った目的としては「かつて日本電信電話公社の内務事務だった人が、NTTという会社になって外回りの営業マンになった」というような流れを作りやすくするためなのかもしれません。
・特別転用試験
この試験は郵便局に勤務する課長代理、総務主任が支社に転用するための試験でした。課長代理では35歳以下、総務主任では33歳以下などなかなか条件が厳しかったです。
試験の内容は一次試験で一般教養、事業知識、小論文です。二次で面接、健康診断等が行われました。
・専門部 この訓練は一般コースと教官コースがあり、受験資格は上席課長代理、課長代理等で在任3年、訓練が行われる年の4月1日現在(以下同じ)50歳未満などの制限がありました。
・高等部第一科 この訓練は総務主任在任3年、45歳未満で課長代理になるための訓練でした。
・高等部第二科 この訓練は主任で勤続5年以上、27~40歳未満、総務主任になるための訓練でした。公社化以降志願制になり、27歳以上、5年以上勤務の人が志願できました。主任を飛ばしてヒラからでもなれ、志願調書とレポートを提出し、書類・面接選考後、選考訓練がありました。
・研究科 勤続2年、20~33歳未満で、修了者は原則として郵政公社本社に配属されました。
・中堅科 公社化後廃止されました。勤続2年、20~27歳未満で、修了者は管轄支社内の郵便局、貯金・簡易保険事務センターへ配属されました。
・国際郵便 勤続2年、20~27歳未満で受験でき、訓練修了後は国際郵便交換局(東京国際、川崎港局など)の配属になりました。公社化後は国際郵便交換局の職員、同局での勤務経験を有する者から選考し、試験は行われないことになりました。
・企画科 勤続2年、22~29歳未満。専門コースと一般コースがありましたが、公社化後専門コースは廃止となりました。専門コースは国際、資金運用、情報システムの各コースがありました。
各試験とも1~3級までありました。SAはセールス・アドバイザーの略で郵便関係の試験です。郵便関係といっても試験内容は国語試験のような内容で、例えばセールストークに必要な敬語の使い方といったものが出題されました。
FAはファイナンシャル・アドバイザーです。かつては貯金、保険と別試験でしたが統合されました。金融商品の知識などが問われました。3級の取得は比較的楽ですが、2級からは若干難しくなり、100点満点で2,3級が60点、1級が65点で合格でした。貯保にたずさわっている職員は2級以上(最近は1級以上)を取得しておくように管理者から言われる場合が多かったです。財団法人郵便貯金振興会FA養成業務室が行っていました。
LCはライフ・コンサルタントで保険セールスの知識能力を試すものでした。
これらの試験ですが、別に合格して資格を取得しても給料が上がったり優遇されたりということはありませんでした。もちろん郵政内部でのみ通用するもので、お客様に「私FA1級を取得しているんです」などと言ってもなんのことだかさっぱりわからなかったと思います。ですがこれらの試験に合格することによって、上司にやる気を見せるということはできたと思いますし、自分自身の知識の習得につながったと思います。ちなみにこの試験をおこなっている団体もいわゆる天下りでした。
上図 FA1級の認定証です。何の役にも立ちません(笑)。