国家公務員再チャレンジ試験

職歴証明書

国家公務員の初任給の決定方法は、年齢加算ではなく職歴加算です。地方公務員の場合の決定方法とは異なります。したがって初任給も、大学卒業の有無や、アルバイトを含めた職歴の長さによって決まってきます。高校を卒業してから学校へも行かず、一度も職にもついていなかった場合だと、ほとんど加算がありません。つまりその場合、40歳であっても高校を卒業したばかりの人とほぼ同じ1級10号俸などになります。ですからわずかなアルバイトでも、職歴証明書を取るようにしましょう。「ケンカして辞めたので言いづらい」というのはもったいないです。だからと言って、年金の支払いの記録などで代えようと試みる方がいますが、これは「不可」です。
なおいずれの場合も号俸は違えども、全員1級スタートとなります。


宿舎の貸与

既婚者に限り、宿舎の貸与が受けられます。本人が全寮制の生活をしている間に、配偶者や子どもが暮らす宿舎です。しかし独身者の中にも「今まで一人暮らしで大量の荷物がある。寮には持って行けないので貸与してほしい。」という方が必ずいます。しかしこれも結論は「不可」です。民間のアパートを借りるしかないでしょう。この場合、住居手当(最高額家賃55,000円で27,000円)は支給されるので負担は少しは軽減されます。


寮生活

高校卒業したばかりの国家三種合格者と、ほとんど同様の全寮制の研修を受けます。既婚で子どもがいる人※でも同様です。部屋は二人部屋が基本(1~3期生)ですが、場合によって1~3人部屋の人もいます。1人部屋の人は特別にそうなっているわけではなく、人数の端数処理のようなものです。
なお最終期生の4期は、全員1人部屋になっていました。この理由については、既婚者を含む30代、40代を、相部屋にすることの弊害であると考えています。つまり高校を卒業したばかりの人たちとは全然違った、心理的な負担面が大きいということです。1年間の相部屋の寮生活を乗り越えられたとしても、その時に蓄積された精神的な負担は、署に配属された以降も持ち越してしまう場合もあります。
また4期については、採用予定者数の半数しか採用されなかったことや、他の府省が平成23年度も再チャレンジ採用を行っていながら、いち早く「撤退」してしまったこと(当初は最も積極的に採用していた府省でした)など、「再チャレンジ枠の採用は好ましくない」となったのも、こうした影響なのかもしれません。
寮ではさまざまな当番があります。高校をでたばかりの人たちと一緒に寮務当番をこなさねばなりません。出勤前のトイレ掃除なども同様ですから、「勤務時間外」といっても負担は大きなものがあります。トイレ掃除が不完全な場合、昼休みにやり直しをさせられます。自分たちよりずっと若い、20代半ばの教育官補(かんぽ)に叱責されます(敬語でなく「おまえ」呼ばわりされる場合もあります)。
外泊は金曜日の夕方から日曜日の夜まで可能です。ただし4月は外泊不可です。
研修所は平成23年4月1日採用者(4期生)の場合、関東信越、東京及び名古屋局採用の方すべて、船橋市の東京研修所となります。以前(1~3期生の場合)は、東日本・沖縄の局所採用者は東京研修所、西日本の局採用者は鳴海の名古屋研修所でした。

※子どもがいる女性について
1期採用者には子どもがいる女性が採用されましたが、2期以降では採用がありません。これは子どもの病気等で、平日でも自宅に戻らねばならないことが頻繁に起こったことから、「小さい子がいる女性(母)の採用は好ましくない」ということになったのだと思われます。
寮室窓側

寮室廊下側


配属

地域はある程度の希望は配慮されます。しかしこればかりはなんとも言えません。言うまでもなく、「東京で採用されたが、地元の九州に配属希望」などというのは通りません。
4つある事務系統ですが、これもある程度の希望は聞いてもらえます。しかし枠の少ない「資産」や「徴収」には、希望をしても行きづらいのが現状です。多くの人が「法人」「個人」の配属になっています。